「Blink: The Power of Thinking Without Thinking」読了
以前読んだ同著者の「Outliers」が結構面白かったのでキンドル版で購入。
無意識や潜在意識が人間の判断力や行動、バイアスなどに及ぼす影響について研究した本。
いくらか強引に感じられる部分も有ったが読みやすくて面白かった。
著者:Malcolm Gladwell
254ページ
【あらすじ】
美術品の鑑定家は時として作品を一目見ただけでその真贋を判断する事が出来る。
その一方で「科学的」な方法に基づいた様々なアンケートや、綿密なリサーチに基づいた商品(TVドラマ、コーラ、ヒット曲など)の開発が実際には予想外の結果に終わる場合が有る。
本書は人間の意識下、無意識の部分が外部の情報からどのように影響されているか、また、偏見や誤った対応を避けるためにどのような方法が有るかなどの、「無意識・潜在意識」についての様々な研究について解説している。
【感想】
以前同じ著者の「Outliers」と言う本を読んだ事が有る。
「Outliers」は平均値から外れた様々な人や事象に関する蘊蓄や研究を面白く解説した本だった。
本書はそちらよりはもう少し「研究書」的な部分は多いように思うが、ほぼ同じような雰囲気。
身近な様々な話(美術品、ギャンブル、夫婦の相性、医者の診断への不満、スピードデート、ヒット曲、コカコーラとペプシコーラの味の違い、人気TV番組、etc.)に関するエピソードや研究結果を使って、「無意識」について解説している。
「無意識」が行動に及ぼす影響や偏見、「マーケットリサーチ結果(=意識)」だけでは説明出来ない商品の売り上げ結果、ストレス下での警官の異常な行動の説明など、興味深い話が盛り沢山。
「直感」が「データに基づく分析」を上回る例や、逆に「直感」がバイアスの影響を受けて不適切な判断を下す例、また「多すぎるデータ」が判断を惑わせる例など、様々なエピソードが紹介されている。
私は今まで偏見や脳の働きなど関する本は何冊か読んだ事が有るが、それでも幾つか新たな発見が有り、楽しく読む事が出来た。
中でも「偏見」をチェックするための方法として紹介されていた「IAT(Implicit Association Test)」と言うテストは興味深い。
「偏見」を数値で測定するための理論と方法、どちらも上手く考えられていて納得。
これに関しては以下で改めて【IATについて】でもう少し詳しく書く事にする。
ただ、本書でストレス下の脳機能の部分的低下を自閉症の症状と関連付けているのは少し論理展開が強引な気がした。
確かにそう説明した方がイメージしやすいのかも知れないが、警官の異常な行動と関連付けるのは自閉症に対して誤ったイメージを与えそうだし、本書を読む限りではそこまで双方に類似点が有るとは思えなかった。
なお英語は非常に読みやすい。
人の表情についての説明で、顔の部位や表情筋について見慣れない専門的な英語(glabella、corrugator、zygomaticなど)が出て来る箇所が有るが、それ以外は単語も構文も比較的簡単だった。
【IATについて】
上で述べた「IAT(Implicit Association Test)」とは、二つの言葉を一つのグループとして捉えるのにかかる時間を計る事によって無意識下の様々な偏見を数値的に測定するためのテスト。
以下のサイトでオンラインでテストを受ける事が出来る。
(日本語にも対応しているので、英語が判らなくても大丈夫。)
https://implicit.harvard.edu/implicit/
体重、国家、年齢、人種、など、人間の様々な特長に対して自分が偏見を持っているかどうか、サイトの言葉によると「意識と非意識の乖離」を測定出来るらしい。
取り敢えずサイトで最初に表示されていた「体重」についてこのテストを受けてみた。
10分ほどかけて幾つかの質問に答えたところ、私は無意識のうちに「やせた人よりも太った人に対する中程度の自動的な選好」を持っているとの測定結果が出た。
一般的には痩せている方を望ましく思う人が多いらしいので、私の結果はそれとは少々異なっている事になる。
(つまりポッチャリ系が好みと言う事?)
試験の方法に馴れるまでに少し手間取ったのが結果に影響したような気がするのだが、言われてみると当たっているかもしれないような気もして来た。
「偏見そのもの」と言うよりは「偏見に関連した何か」を測定しているのかもしれないが、いずれにしろ興味深い。
後で余裕が有ったら他の項目についてもチェックしてみたい。
なお、日本アマゾンではキンドル版を扱っていないようだったので、以下ではアマゾンの紙本版へのリンクを挙げておく。
無意識や潜在意識が人間の判断力や行動、バイアスなどに及ぼす影響について研究した本。
いくらか強引に感じられる部分も有ったが読みやすくて面白かった。
著者:Malcolm Gladwell
254ページ
【あらすじ】
美術品の鑑定家は時として作品を一目見ただけでその真贋を判断する事が出来る。
その一方で「科学的」な方法に基づいた様々なアンケートや、綿密なリサーチに基づいた商品(TVドラマ、コーラ、ヒット曲など)の開発が実際には予想外の結果に終わる場合が有る。
本書は人間の意識下、無意識の部分が外部の情報からどのように影響されているか、また、偏見や誤った対応を避けるためにどのような方法が有るかなどの、「無意識・潜在意識」についての様々な研究について解説している。
【感想】
以前同じ著者の「Outliers」と言う本を読んだ事が有る。
「Outliers」は平均値から外れた様々な人や事象に関する蘊蓄や研究を面白く解説した本だった。
本書はそちらよりはもう少し「研究書」的な部分は多いように思うが、ほぼ同じような雰囲気。
身近な様々な話(美術品、ギャンブル、夫婦の相性、医者の診断への不満、スピードデート、ヒット曲、コカコーラとペプシコーラの味の違い、人気TV番組、etc.)に関するエピソードや研究結果を使って、「無意識」について解説している。
「無意識」が行動に及ぼす影響や偏見、「マーケットリサーチ結果(=意識)」だけでは説明出来ない商品の売り上げ結果、ストレス下での警官の異常な行動の説明など、興味深い話が盛り沢山。
「直感」が「データに基づく分析」を上回る例や、逆に「直感」がバイアスの影響を受けて不適切な判断を下す例、また「多すぎるデータ」が判断を惑わせる例など、様々なエピソードが紹介されている。
私は今まで偏見や脳の働きなど関する本は何冊か読んだ事が有るが、それでも幾つか新たな発見が有り、楽しく読む事が出来た。
中でも「偏見」をチェックするための方法として紹介されていた「IAT(Implicit Association Test)」と言うテストは興味深い。
「偏見」を数値で測定するための理論と方法、どちらも上手く考えられていて納得。
これに関しては以下で改めて【IATについて】でもう少し詳しく書く事にする。
ただ、本書でストレス下の脳機能の部分的低下を自閉症の症状と関連付けているのは少し論理展開が強引な気がした。
確かにそう説明した方がイメージしやすいのかも知れないが、警官の異常な行動と関連付けるのは自閉症に対して誤ったイメージを与えそうだし、本書を読む限りではそこまで双方に類似点が有るとは思えなかった。
なお英語は非常に読みやすい。
人の表情についての説明で、顔の部位や表情筋について見慣れない専門的な英語(glabella、corrugator、zygomaticなど)が出て来る箇所が有るが、それ以外は単語も構文も比較的簡単だった。
【IATについて】
上で述べた「IAT(Implicit Association Test)」とは、二つの言葉を一つのグループとして捉えるのにかかる時間を計る事によって無意識下の様々な偏見を数値的に測定するためのテスト。
以下のサイトでオンラインでテストを受ける事が出来る。
(日本語にも対応しているので、英語が判らなくても大丈夫。)
https://implicit.harvard.edu/implicit/
体重、国家、年齢、人種、など、人間の様々な特長に対して自分が偏見を持っているかどうか、サイトの言葉によると「意識と非意識の乖離」を測定出来るらしい。
取り敢えずサイトで最初に表示されていた「体重」についてこのテストを受けてみた。
10分ほどかけて幾つかの質問に答えたところ、私は無意識のうちに「やせた人よりも太った人に対する中程度の自動的な選好」を持っているとの測定結果が出た。
一般的には痩せている方を望ましく思う人が多いらしいので、私の結果はそれとは少々異なっている事になる。
(つまりポッチャリ系が好みと言う事?)
試験の方法に馴れるまでに少し手間取ったのが結果に影響したような気がするのだが、言われてみると当たっているかもしれないような気もして来た。
「偏見そのもの」と言うよりは「偏見に関連した何か」を測定しているのかもしれないが、いずれにしろ興味深い。
後で余裕が有ったら他の項目についてもチェックしてみたい。
なお、日本アマゾンではキンドル版を扱っていないようだったので、以下ではアマゾンの紙本版へのリンクを挙げておく。


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